Atlas Orthogonal Chiropracticにおける適応症は、多岐にわたります。骨格の歪みに由来する関節や運動器に関わる症状と、自律神経系や内分泌系に関わる症状等への効果が期待できます。
頚椎ヘルニアの症例です。C4~C5、C5~C6の椎間板が脊髄を圧迫しています。椎骨の配列は歪み、椎体に骨棘ができて変形していることがわかります。
ヒトは直立二足歩行の為、脊柱の真上に頭蓋骨を乗せています。また、体幹も直立である為、脊柱の椎骨は下に行くほど大きく、重力に抗して上半身の重さを支え立位座位を保てるようになっています。
頚椎と腰椎は前弯、胸椎と仙椎及び尾椎は後弯していてS字状の弯曲を呈し、頭と体幹を少ないエネルギーで安定的に保つことができる構造になっています。
椎孔が連なって脊柱管を作り、脊髄を通します。内側と外側には靭帯が可動域を保護し、三層の膜(硬膜・くも膜・軟膜)に覆われた脊髄を格納しています。椎骨と椎骨の間には椎間板が弯曲構造とともに衝撃を吸収しています。
脊柱は、この弯曲構造と椎間板のショックアブソーバー機能により、運動によって体重より大きな負荷がかかっても衝撃を吸収できるようになっています。
椎間板はゼリー状の髄核とそれを取り巻く繊維輪でできています。これが本来の位置から逸脱して近接の神経を圧迫するのが椎間板ヘルニアです。
頚椎と腰椎はともに前弯していることからどちらの部位にも椎間板ヘルニアが頻発します。特にC4~C5、C5~C6、L4~L5、L5~S1は、重力がかかりやすく前弯から後弯へ移行する部位でもあることから頻発部位として知られています。
脊柱管狭窄症は、椎間板ヘルニアに加え靭帯の肥厚や骨変形などにより神経圧迫を受けるものです。椎間板ヘルニアと比較すると高齢の方に多くみられます。
すべり症は、椎間板や椎骨の変性により本来の位置を逸脱してしまったり、分離症が発展して位置がずれてしまったりして神経を圧迫するものです。
他にも、五十肩や股関節症・膝関節症等など、身体を動かす為に必要な関節などの諸器官で起こる症状のほとんどは、体軸がずれ、バランスの悪い状態で長年経過した結果発症していることは、どなたにもご理解いただけると思います。
第一頚椎(Atlas)がズレることで脊柱にも歪みが発生します。第一頚椎のズレは、全身に影響を与えます。
正面から見ても側面から見ても正しい重心を保つ脊柱。
Atlas Orthogonal Chiropracticでの施術の目標値です。
この体軸のずれの原因こそが、第一頚椎(Atlas)と頭蓋骨との不整合によるのです。
ずれの大きさはほんの微かです。微か数ミリ、ほんの1~2°の微細なずれが、末梢に向かって大きな歪みを生む元になります。
仰臥位で脚長差を測ると左右で数センチ、大きく違う方で5センチもの差を生み出してしまいます。脚の長さが左右で5センチも違うまま生活していれば、腰痛や股関節痛、膝関節痛に繋がることは自明の理といえるでしょう。
第一頚椎(Atlas)のずれによって生理的弯曲を失って身体が歪み、長年の負荷によって、椎間板が突出したり、靭帯が肥厚したり、骨変性を起こしたり、関節に炎症を起こしたりして痛みを発症させているのです。
Atlas Orthogonal Chiropracticでは、第一頚椎(Atlas)のみのアジャストメントで、ずれていた体軸を本来あるべき正しい位置に戻すことができます。そのことにより、偏っていた負荷を除き、症状の解決と再発を予防します。
Atlas Orthogonal Chiropracticでは、レントゲンのサジタル像で、歯突起の先端から下した垂線が、第五頚椎の前面を通っていることが、施術の目標値となります。
それとともに、第一頚椎(Atlas)のASP(Atlas sagittal plane line)は後方へ14°傾いていて、大後頭孔・第二頚椎(Axis)とのスリーリングがそれぞれ平行でなければなりません。
フロンタル像・サジタル像・ホリゾンタル像の三方向でOrthogonalなアジャストメントを実現させることで、脊柱が正常な生理的弯曲構造を取り戻すことを可能にするのです。
構造が変化することで、局所的に発生していた負荷が除かれ、痛みや痺れは寛解していきます。定期的に通院していただくことと適切な運動をお続けいただけば十分に予防保全でき再発を予防できます。
自律神経失調症は、第一頚椎(Atlas)の微調整で解決できます。心の病ではありません。
第一頚椎(Atlas)と頭蓋骨の後頭骨との関節である環椎後頭関節は、脳幹から脊髄へ移行する重要な部位です。
第一頚椎(Atlas)は、脳幹に関節しているといってもよいでしょう。
頭蓋骨はひとつの骨ではなく、各パーツが縫合関節で連結しています。
第一頚椎(Atlas)と頭蓋骨との不整合は、脊柱のみならず縫合関節のずれ、つまり頭蓋骨の歪をも生み出します。成人は縫合関節が癒合して不動関節であるといわれますが、実際は微かに動きます。施術が進むと左右の顔のバランスがよくなり、顔の歪みに悩んでいらした患者様から、喜びの声をいただいていることからもわかります。
頭蓋骨に無理な外力を加えて動かすことはしません。第一頚椎(Atlas)をアジャストメントするだけです。
第一頚椎(Atlas)は、脳幹に近接していることから、自律神経や内分泌系の症状の原因となっていることが考えられます。
左右の大脳半球とその下にある小脳・間脳・中脳・橋・延髄は、三層の膜即ち硬膜・くも膜・軟膜に覆われています。脳室系及びくも膜下腔を還流する脳脊髄液が、脳圧を一定に保ち、神経細胞の代謝や伝導に関与し、脳を保護しています。また、脊髄に移行しても脳と同様に三層の膜に覆われ、脊髄の中心管にもごく微かな脳脊髄液が通ります。
頭蓋骨が歪むと、脳を覆う髄膜及び脳脊髄液にも影響を与えます。そしてそのことが脳室系やそれぞれへの連絡孔を介して、間脳やその下の脳幹へストレスを与えたり、または辺縁系や基底核を通して高次機能へと影響を及ぼしている可能性もあります。
脳幹は、中脳・橋・延髄で構成され、脳神経の神経核を有し、間脳とともに自律神経系の中枢です。
また、錐体路系・錐体外路系などの運動ニューロンや多くの感覚ニューロンの伝導路でもあります。脳から末梢へ末梢から脳への情報の重要な通り道なのです。
前述したように第一頚椎(Atlas)は、この脳幹に近接しています。
頭蓋骨と第一頚椎(Atlas)との関節である環椎後頭関節は、前環椎後頭膜と後環椎後頭膜が連結を強固にし神経を保護しています。
第一頚椎(Atlas)の椎孔は、本来脊髄が通るサイズより大きくゆとりをもっています。しかし、不整合とその長年経過による靭帯の肥厚などで、脳幹への圧迫や頭蓋骨の歪みへと繋がり、様々な神経症状を発症させます。
後環椎後頭膜は黄色靭帯のつづきと考えられていて、椎骨動脈と第一頚神経が通過します。椎骨動脈はこの部位で何度も弯曲を繰り返して大後頭孔に入ります。
第一頚椎(Atlas)のずれは、椎骨動脈の弯曲にも影響を与え、この血管の循環が妨げられることで脳への血液供給に影響を与え、めまい・頭痛の原因のひとつと考えることができます。
数多くある伝導路や神経核への圧迫、また血管への影響など、どこに問題が起きるかによって症状は様々です。顔かたちや体格に個人差があるのと同じように、症状にも個人差が大きく現れます。
一括りに自律神経失調症といっても、症状は様々です。
動悸・息切れ・不整脈・頭痛・めまい・疲れやすい・不安感・うつ症状・パニック障害・喉の詰まり・不眠・胃腸障害・・・
これらの症状は、やはり第一頚椎(Atlas)のずれが影響していると考えます。
動悸・息切れ・不整脈などは心臓そのものに器質的疾患がない場合であれば、アジャストメントで改善する可能性がかなり高いのです。多くの臨床例から実証できます。
頭痛(主に片頭痛)・めまいは、アジャストメントで後頭皮神経や椎骨動脈の循環が改善されると寛解している例が多くあります。
うつ症状やパニック障害・不安感・不眠などの症状では、施術前後の血中成分を検査したところ、ストレス物質とされる物質量の変化が実証されています。
個人差はもちろんありますが、案外簡単に解決してしまう例も多く、長年難治と諦めていた方にはぜひ受診していただきたいと思います。
どこに行っても治らない難治性の症状でお悩みの方のための治療院です
1.環軸関節は、第一頚椎(Atlas)と第二頚椎(Acis)との関節です。和名で第一頚椎を環椎、第二頚椎を軸椎と呼ぶことから、環軸関節と呼ばれています。
環椎の前弓と軸椎歯突起からなる正中環軸関節は、縦束と横突起で歯突起が脊髄を圧迫しないように強固に連結しています。
しかし、これが外傷などで緩んでしまうと、脊髄及び延髄に圧迫を与えてしまいます。呼吸が浅く・易疲労感・頭重感・頭痛・めまい・立ち眩み・不眠等々不定愁訴が多く発現します。
難治の方が多く、手術するにしても非常にハイリスクなことから深刻な問題となっています。
アジャストメントは有効で、施術後はすっきりし、呼吸も深くなります。安定するまで一般の患者様よりは長くかかりますが、必ず安定して普通に生活できるようになります。
2.環軸関節回旋位固定は、学童期にマット運動などで外傷を受けると環軸関節が回旋したまま戻らず、固定してしまうものです。屈曲伸展に可動域制限が出ます。特に伸展時には体幹を前屈しないと上を向けない状態になります。発症して直ぐに施術すれば早期に改善します。
また、環椎後頭関節亜脱臼の場合も、学童期の方に多く外傷性に起こります。牽引したり、マッサージをしたり、長く改善しないままにしておくと施術は長期に及びますが、身長が伸びている時期ですと成長に伴って、正しい骨格に導いていくことができます。
3.うつ症状や不安・強迫神経症・パニック障害などの症状は、心因性と諦めている方が多く、長年にわたり服薬を重ねている方もいらっしゃいます。しかし、施術前後に血中成分を測定した研究結果では、抗ストレスホルモンであるACTFやコルチゾルが適正値に変化するということがわかりました。心が悪いのではなく、頚椎が悪いだけなのです。
どんな症状の方も、第一頚椎(Atlas)だけを施術することで症状の解決と再発の予防ができるのが、Atlas Orthogonal Chiropracticです。
人体の骨格、特に上部頚椎のプロフェッショナルとして多くの患者様のお役に立てることが私の喜びです。Chiropracticの最高峰であるこの理論と技術で、ひとりでも多くの患者様に貢献していくことが、私の使命であると考えています。